東京高等裁判所 昭和47年(行ケ)17号 判決
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〔判決理由〕二 原告が本件審判請求をするにあたり、法定の手数料を納付しなかつたことは、原告の自ら認めるところである。そして<書証>によれば、審判長が原告代理人に対し、昭和四六年二月二〇日付補正指令書をもつて、その発送の日から四〇日以内に不足手数料四、〇〇〇円を納付するよう命じたこと、同指令書は同年三月五日発送され、同月八日原告代理人に送達されたことを認めることができ、他にこの認定を左右すべき証拠はない。したがつて、原告が右補正指令に応じて不足手数料を納付すべき期限は、昭和四六年四月一四日となるわけであるが、右期限内に原告がその納付をしなかつたことは、原告の主張に徴し明らかである。
一方、原告代理人の事務所が昭和四六年四月三日発生した火災により類焼したことは、当事者間に争いがない。そして原告は、右火災により事務所内の一切の書類、帳簿等を焼失してしまい、いわば不可抗力によつて補正すべき期間を遵守することができなかつた場合に該当するのであるから、民事訴訟法第一五九条の規定を準用して、不足手数料の追納を認めるべきである旨主張する。しかし、かりに、同条を類推適用すべきものとしても、懈怠した行為の追完を認めるべき期間は、補正指令書が原告に送達されている以上、火災が鎮まつて常態に復したのち一週間の期間内に限られるべきことは、右法条の趣旨からみて明らかである。しかるに、原告が右期間内に不足手数料の追納をしようとしたわけでもないことは、原告の主張自体で明らかである。また、原告の主張によれば、補正指令による持定期間経過後、本件却下決定取消訴訟の判定確定までは、追完の期間が進行しないことになるが、そのように長期間にわたり、手続を不安定な状態におくことは、不変期間の追完を認めた前記法条の趣旨に反するものといわなければならない。
したがつて、指定期間内に不足手数料の納付がなかつたことを理由に、審判請求書を却下した本件決定は適法であり、原告主張のような事由によつては、違法として取り消すべき限りでない。
三 以上のとおり、原告の本訴請求は理由がないから、失当として棄却する。
(服部高顕 石沢健 瀧川叡一)